溶射とは?

特 性 加工工程 加工例

4−4.高速フレーム溶射
溶射飛行粒子の高速化により強い衝突力を実現し、緻密で密着性の高い
溶射皮膜を得る為に開発された溶射法で、酸素−プロピレン、酸素−ケロシン、
空気−ケロシンなどにより得られた高温の燃焼ガスを細長いノズル中で
絞る事で高速流を作る。溶射材料粉末はノズル中で溶融されると同時に高速
ガス流で加速され、音速をはるかに超える高速で基材に衝突し成膜される。
高速フレーム溶射で得られる皮膜は、同一の溶射材料を用いた他の溶射皮膜と
比較して高密度、高付着力、高硬度となる。WC系サーメット材料を用いた
耐磨耗溶射に広く利用されている。


4−5.アーク溶射
2本の金属ワイヤ間でアーク放電(電機スパーク)を発生させ、この放電エネルギー
によりワイヤを溶融させる電機式溶射の一種である。溶融速度に合わせて
ワイヤを送給し、圧縮空気により溶融金属を微粒かし、基材に吹き付けて
連続的に成膜する。フレーム溶射法に比べて溶射能力(時間当たりの溶射
成膜量)が大きい事、溶射材料が高温で十分に溶融されている為、基材への
密着性に優れていることなどの特徴がある。アーク溶射装置の電源は交流でも
可能であるが、アークの安定性の点で直流が利用される。ワイヤは電極と
なるので溶射材料は電気伝導性の材料に限られる。


4−6.プラズマ溶射
アルゴンなどのガス中で大電流の直流アーク放電により、高温高速のプラズマ
ジェットを溶射ガン中に形成させ、このプラズマジェット中に粉末状の溶射材料を
投入する事により溶融と加速を行い成膜する溶射法である。エネルギー密度の
きわめて高いプラズマジェットにより、10,000℃を超える高温が得られるので、
高融点の金属、サーメット、セラミックスをはじめ、ほとんどの材料を溶射する
事ができる。また、発生条件によりプラズマジェットの温度を選択できるので、
材料選択の自由度が大きく、基材と溶射皮膜の密着性が高いなどの特徴を
有する。


4−7.線爆溶射
電気伝導性のある材料を線状に市、これに衝撃大電流を通じて大気中又は
不活性ガス中で放電爆発させる電機式溶射法の一種である。大電流により
瞬時に溶融された溶射材料は微粒子状となって飛散し、基材に衝突して
溶射皮膜を形成する。衝突速度が高く、溶融粒子の温度も高いので基材に
対する密着力も良好である。


             
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